No.19 仕事が楽しい(2)

昔から、歳をとると自分より若い人に向かって、
「最近の若い人たちは...」と小言を呈するものですが、
本当に最近は小言どころか大言にも何の反応もなく、
反対に逆ギレをされるのがオチです。
卒業して他大学の研修生となり、2年後、
当医院へ就職したO君は明るい好青年でした。
ある時、彼のやっている治療を私が横取りいたしました。
すると
「なぜやらせてくれないのですか?」
「あれ以上進めると失敗します」
「やってみなければわかりません」
「やって分かってどうするのですか?
 失敗ですよ。患者さんは実験台ではありません!」
「僕は親にも怒られたことがないのに、こんなに怒られたことは初めてです。
 
 辞めます」
「あめでたい人ね。はい!お辞めなさい」
鳴り物入りの紹介で来たB子の場合、
「一人生活なのでお金が必要です」
「何人生活でもお金は必要ですが、
 ところで3年目のあなたは何ができるのですか?」
「...とりあえず何もできません」
「この世界は働いてナンボ!!の世界ですヨ!」
とりあえずどころか、本当に何もできないB子は
それ以上に「働く」という観念がありません。
礼儀、常識もありません。
スタッフ全員から嫌われはじめました。
昔育てた後輩の一人が、ある時泣きながら言いました。
「先生、歯を削るって、身を削ることなのですね」
「あったりめぇヨ!やっと分かったかい!」
現在5年目の男の先生が言います。
「院長!僕は何度も自殺しそうになりました!」
「甘えるんじゃあないヨ、もっといじめてやる!!」
こんな私に時々患者さんが言ってくれます。
「先生長生きしてくださいね...」
私はいつも自信を持って次のように答えます。
「美人薄命を通り過ぎ、惜しまれる人は早死にするにも縁がなく、
 もう残っているのは『憎まれっ子、世にはばかる』しかありません。
 大丈夫です。
 
 私は長生きをしたいので、スタッフに憎まれながら生きております」
こんなことを診療室で叫ぶ私は、やっぱり仕事が楽しいのです。

  カテゴリ:デンタル小町

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