”未来”の捉え方

50年後、100年後の歯科界の未来を見据えて、夢や希望、できれば提言をいただきたいとコムネットから原稿依頼を受けました。
通常“未来”とは“明るい”と同義語で語られますが、私の思う歯科界の未来は“暗い”としか捉えられません。そこで広義の歯科界ではなく狭義の歯科医療として、偏見に満ちた私自身の未来を書かせていただくことにしました。

現状の歯科界は、誰がやっても一律の保険点数に縛られ、薄利多売を歯を削るより身を削って乗り越え、「安い、優しい」で判断する患者さんのデンタルIQの低さについていけず、そのため「優しい、痛くない」を全面に打ち出した患者迎合・笑顔満載の似たり寄ったりのホームページを作ることとなり、他院の営業時間や患者数ばかりが気になり、予約簿の空白に怯え、自身の診断よりも患者さんの希望を尊重し、腕の未熟を“ロのうまさ”でカバーして、スタッフからは“陰口”を叩かれ、家へ帰れば「もっと稼げ!」と妻に怒られ、それでも歯を食いしばり、借金と家賃と給料と子供の教育費のために必死で頑張っているのに、誰からも褒められず…褒められず…褒められず…

未来の歯科界(私の場合)

  1. 診療室はこじんまりと居心地の良い空間とし、スタッフは2人の衛生士のみ。
  2. 初診時はレントゲン撮影と模型を採り、患者さんのお話を拝聴する。
  3. 2回目の来院時模型の原型と理想的にワックスアップした(院長自らがワックスアップをすること)模型を提示し、治療計画と費用を説明し、衛生士のクリーニングを済ませる。
  4. 専門分野のみならず、オールマイティーに治療技術を学び、根治、形成、テック(3~6本)を1~2時間以内でこなす(テンポラリクラウンは1本5分以内で自作)こと。「診療が早いことは、治療が上手いと考えるべし」
  5. 毎回の治療後には、患者とコーヒーを飲みながら、院長自ら治療内容の説明と次回の予約内容の話をすること。
  6. 治療予定の歯に全てテンポラリクラウンが入った状態で、さらに咬合調整、審美的回復を確認し、患者さんの納得を得た後、最終精密形成印象をします。

このような治療の進め方のため、衛生士分担の患者さんを含めて、1日5名から10名の患者数が限界です。

私は今まで歯科界の変革を訴えてきましたが、結局不可能と悟り、諦めざるを得ませんでした。そこで、私は保険治療のワクを飛び越え、技術と人間性を磨き、立派な衛生士を育て、その衛生士とタッグを組み、信念を持って治療をし、楽しく豊かな人生を築きました。

それはほとんどの歯科医師が保険診療に惑わされている現状の矛盾を逆手にとった、私の歯科医師としてのブライドの勝利と自負しています。以上が、未来を語るより、未来を生きている私の歯科医療の話です。

(追記)私を必要とする、私の話を聞きたい、私の技術を知りたい先生は、ぜひご連絡ください。お待ちしています。飛んで行きますよ!

  カテゴリ:雑記

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