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天ママStyle vol.93 “「ゆとり君」その後Ⅰ”

半年経った「ゆとり君」のその後の経過をお伝えします。
相変わらず患者さんがいない時は携帯をいじくり、昼休みは外へ出たまま帰って来ません。
4~5冊の本を渡してありますが、読んでいる気配さえもありません。
靴の踵をつぶして履くので、バタバタ音がして、さらにダブダブの白衣の着方で、どこから見てもだらしなさが目に付きます。単なるカバーメガネに引っ掛けているルーペが邪魔で、ゆとり君の気力のない目が見えません。
これらのすべてを注意すると、「大学ではこうですから…」と聴く耳を持たず状態……
「そういうの“馬耳東風”というのですよ」と笑いかけると、「なんですか、それ?」。思わず「じゃあ“春眠暁を覚えず”は?」、ゆとり君は自信たっぷりに「知りませんヨ!」。

最近、やっとインレー形成がまあまあになり、ホッとしていると、ある朝ブリッジ形成後の模型が2つ並んでいます。その2つの模型を新米のスタッフ(歯科助手)が見ながら悩み顔…
「どうしたの?」「先生、このブリッジ、入りませんよね」「確かに入りそうもないわ。先生に見せたの?」「はい、でも大丈夫と言われましたが、気になって技工所には出していません」「分かった、ありがとう。気が利くのね」

私はゆとり先生に模型を見せて、「このブリッジは入りませんよ」「え~、そうですかね。テックは入ったんですけど」。その生意気な返答はなんだと怒りたいのを我慢して、「ヘタなテックはどんな形成のブリッジでも入りますが、そんな基準値よりも、技工所に出す前に確認してください」「確認しました!」「アラ…だったら、そのメガネにくっついているルーペがおかしいのかしら…、それとも、どこがダメなのか分からないのですか?」「いや! そんなことは…」
私は鉛筆で何ヶ所かのアンダーカットを塗りつぶして、模型を置きましたが、未だ不服そうなゆとり君の顔!
追い打ちをかけて告げました。「こんな模型を出されたら、困るのは技工士さんです。技工士さんに“上手い”と言われる形成をしなさい」

ある日も
「この抜歯をやってみませんか?」
「いや、結構です」と即答…

そもそも、特に大学に残った研修生に多いのですが、何をせずとも何も言われず、それでも、国からはお給料が頂けて、大学に来られる患者さんからは「先生」と呼ばれ、“やる気”が無くてもなんとかなる卒後研修制度が“やる気”の芽生えを摘み取っているような気がします。
では、どうすればゆとり君に“やる気”を持ってもらえるのでしょうか。

「努力しなさい!!」もダメでしょうね。彼等にとっては“努力”という言葉は死語に違いありません。
「自分が患者さんや他人からどう思われているか気にならないのですか!!」
「はい、気になりません」でおしまいです。きっと…

歯を削るより身を削る思いで、誰よりも朝早くから診療所へ入り、休みの日はセミナーの受講で手一杯、それでも娘のためにお弁当は欠かさず作り、泣きたくなる程疲れ果てても、毎日一生懸命笑顔で患者さんとお話をし、スタッフ達に同情され、励まされ、毎月毎月の自転車操業で飢えを忍び、それでも患者さんの喜んでいただける笑顔が嬉しくて…
少しでもいい仕事を、誰よりも上手な仕事を…と思って、その思いが“やる気”になって、ここまで働いて来たのですが…

私は“やる気”は“生きる気”で、生きるためには働かなくては…
「働かざるもの食うべからず」と思っていたのですが…

こんな事をゆとり君に言ったら、「昔話ですか…」と冷ややかに言い放たれそうで恐いのです。

誰か“やる気”を植えつけるセミナーか相談会をやりませんか…
困ったものです。

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天ママStyle vol.91 “セッション1”

 先日『始めなければ、始まらない』と称して、突然皆様に声を掛けたところ、数名の有志の方々が集まってくださいました。
 これからの歯科界を夢と希望に溢れた業界にするためにはどうしたらいいのか! 何から手を付けたらいいのか! と日頃のうっぷん晴らしから始まって、ケンケン、ガクガク…話し合いの場を持ちました。
 簡単に結論の出るテーマではありませんが、3時間あまりのセッションの間に出た意見(本当に、単なる意見です)をまとめて書き出してみます。

①出来高払いの保険制度を根底から見直す必要がある。なぜなら、現在の歯科保険制度は患者さんを守るためのものではなくて…歯科医の最低賃金を保障している。つまり“点数ありき”なので、上手・下手というより、補綴物の場合は安い技工所を選ぶことに苦慮し、技工物の質が落ち、技工士さんを困窮させている。
②歯科疾患は自己責任の疾病なので、予防すればある程度は防げるはずのものなのに、それを保険診療に組み入れること自体が矛盾している。
③予防を保険でカバーして、補綴物を保険診療から外す方が患者さんのためになるかも。
④歯科医師はコストパフォーマンスを勉強するべき。
⑤民主主義の社会で、なぜ突然保険診療という社会主義が入っているのか…。国民皆保険という制度が、“予防”という概念をうやむやにしている(すべて保険でカバーすること自体に無理がある)。
⑥海外の歯科事情の勉強をすべきである。例えば、ある国では低所得者は無料で受診できるが、大学の研究生の対象となって、歯科医師の技術の向上に貢献している。もしくは年に数回、きちんと検診を受けている方がむし歯や歯周病になった場合は無料で治療を受ける事ができるが、まったく検診を受けていなかった人の場合は全額有料となる(ドイツ)制度があったり、歯科衛生士が開業しており、そこでスケーリングや検診を受け、治療が必要な場合は紹介状を持って専門歯科医へ受診する(カナダ)ことをシステム化している国が多い。
⑦これらの場合の治療費は、非常に高額なので任意の一般の歯科専門の保険会社に入っておく必要があるので、全体的に国民のデンタルIQが向上する。
⑧とはいえ、人口もむし歯も減少する世の中では、医学部歯学科がいいのではないか(この場合、6年間という期間をとる)。
⑨TPPが導入された場合のことを考えて、医療体制を考え直す必要がある。
⑩地方の方々(保険診療のみの治療体系の方)の現状をリサーチする必要がある。
⑪将来の人口減少と歯科医師の供給比率を調べましょう。
⑫歯科界に詳しい方のお話を聞きましょう。
⑬一般の方々に、とりあえず歯の話をする機会を持ちましょう。

【総括】
 歯科界に常日頃から抱く疑問、不安、疑惑の解明と、もしかして解決できるかもしれない事柄のあぶり出しをして、これからの歯科界を健全で希望あるものにしたいという思いで、皆様に声を掛けさせていただきました。
 厚生労働省をはじめ、一体誰が何を考えて現在のような歯科界にしたのか!! なったのか!!
 では、どのような歯科界が理想といえるのか!!

 などを、他の国の実情から学んだり、内情に詳しい方のお話を伺ったり、違う業界の方々の意見を聞いたり、隣のおばさんの好きな歯医者さんの話に相槌を打ったりしながら、歯科業界に関わるみんなで模索してまいりましょう。
 まずは、日頃の不満等を削除して、それを整理し、問題を明らかにする事から始めて、さらに日々の診療、経営等のお悩み相談、暴露大会的なセミナーも付け加えて、より身近な問題として捉えていきたいと思っています。

 不平、不満を言う前に、1つひとつ解決する事を考えましょう。小さな声を大きな声にして…歯科界を動かせたらと思います。
 始めなければ、始まりません!!

 次回のセッションは11月13日(日)を予定しておりますので、ぜひ皆様、お集まりください。

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天ママStyle vol.90 “「規則ですから…」”

 4歳児の治療をしました。治療が終わり、子供をお母さんに渡すと「偉かったわねぇ~」と子供に笑いかけ、私には「お疲れさまで~す」の一言!
 オイオイ、こういう時はその後「ありがとうございました」と付け加えるべきじゃないですか。それに偉いのは子供ではなくて治療した私です!

 お買い物をすると必ず「1万円からお預かりします」と訳の分からない言葉がついてきます。私は預けたつもりはないし、その『から…』という意味が分かりません。この場合は「1万円ですね」の確認だけでいいと思うんですけれど…。その『から…』が聞きたくないのと、マイレージポイントを貯めるために、最近クレジットカードを使う頻度が増えている私ですが、今度は必ずレジで「何回払いですか?」と聞かれます。
 “アホか! 3,200円をどうやって分割払いにするんだ!”と言いたいのをグッと堪えて「1回です」と答えますが、本音は“分割払いにする程の金額じゃあないでしょう!”“プラチナの人は分割はしませんが…”“失礼ですよ、私が分割する人に見えますか?”と声を荒げてしまいそうになっています。
 ある時、本当にレジの方にこう言ってしまいました。
「あのね、プラチナのお客様にはプライドを傷つけないように、当たり前のように『ご一括払いですね』と言いなさい。
 事情のある方は何回払いか言ってくださいますよ。分割が当たり前のように聞かれると気分が悪いものです」すると「規則ですから…」
「アホか!」
 いつからか、きっとコンビニができた頃からか、誰も、誰にでも同じ接遇を! という考えのもと、すべてマニュアル化してしまった結果、心の通う対応が失われてしまったようですね。

 昨年から、当医院の税理士事務所に電話をすると、やたら明るい声で「お電話ありがとうございます。●●税理士事務所の××です」と全員が電話口で言うようになりました。
 通常、税理士事務所に用がある時点で楽しい事はなく、暗い気分で電話するものです。
「はい、お電話ありがとうございます!! ●●税理士事務所…」と例のごとく、お決まりの枕詞……キレた私は叫んでいました。
「おたくの事務所への用件は、気分の落ち込む事しかないのに、何が嬉しくて、“お電話ありがとうございます”ですか?! 嫌味ですか?」「いいえ、規則ですから…」「では病院や葬儀屋に電話口で“お電話ありがとうございます”と人の不幸を喜ぶかのように言われたら、“待っていたのか?!”と腹が立つのが分りますか?」「はい、規則ですから…」
「分かってないです!
 その規則を変えなさい。枕詞は“おはようございます”“こんにちは”にしなさい!」
 2、3日後に改めて電話をしました。するとまた…
「お電話ありがとうございます!!…」から始まったので、私はまた怒鳴ってしまいました。
 その2、3日後に電話をすると、相手方は一言も発しませんので、こちらから「●●事務所ですか?」と聞くと「ハイ、そうです…」と暗い返事。
 きっと私の診療室の電話番号が登録されて、受話器を取る前に私からの電話だと分かったに違いないので、さらに頭にきて、「さっさと名乗りなさい!」とまたまた叫んでいました。

 『規則』という言葉にがんじがらめになることは、思考回路を動かさなくて、生きる上では楽なのかもしれませんね。

 私達歯科医は患者さんに「痛い!」と言われた時、ズキズキか、冷たい時か、熱いものにか、ツンツンした痛みか、食べる時なのか等々、痛い症状を伺い、その痛みの種類で診断の予想がつきます。
 ところがです。
ある時、私が10日程腹膜炎を併発した盲腸で入院した事があります。
 術後はじめての回診時に、数名の先生が私にこう聞きました。
「ところで天井さん、痛みますか?」
「もちろん痛いです」「どのくらいですか?」「どのくらいと言われても…」「では、⑩のうちのどれくらいの段階ですか? ④とか⑥とか」「その⑩の意味が分かりませんが…」「だいたいでいいので、規則ですからお答えください!」
「アホか!! 身体の痛みを数値になおして、どういう意味があるんですか? 痛いんですよ。痛い、の! とにかく痛いんです、こういうのを⑩と言うんですか!!」

 点滴を見た先生が、声を上げました。
「すみません、痛み止めを入れ忘れていました!!」

 私、絶句!!
 どういう規則だっちゅーの!

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天ママStyle vol.89 “ゆとり君”

埼玉の診療所は娘がいなくなったため、新しい歯科医師が入ってきました。大学の保存科に残っていた彼はおだやかで、ゆったりとした雰囲気で、すぐにファンになる患者さんが増えそうです。

1カ月が過ぎました。おやおや、何も出来ません。
確かに根治は危なげなくやりこなしますが、その他がひどい!
「君、何か出来ないことある?」と嫌味を言ったつもりが、「僕ですか? 何でも出来ますヨ!」と自信たっぷりの返答…ホンマかいな…
形成をさせると、スライスカットが出来ない、アンダーカットだらけ、マージンがガタガタ…。印象を採っても、すぐに気泡の有無を見もしない。最悪なのは、出来た石膏模型の確認さえもしない。
気泡やマージンの不明が、技工士さんを困らせる事になるなんて、まったく気にもしていない。
よくよく聞いてみると、上手な形成と下手な形成の意味が分からないらしい事に気が付いた。
彼の模型の気泡を見つけて「やり直し!」と言おうものなら、「エッ、どこに気泡があるんですか?」。スライスカットが出来てない事を注意すると、「そうですかねぇ~、へぇ~」。
おいおい、その上から目線の返事はおかしいゾ!
仕方がないので、いちいちメモ用紙に図で示したり、注意書きを書いたりして説明をする。ところが次の日に行くと、私が書いたメモ用紙は、まったくその机のその場に置かれたまま、つまり散らかったままの机の上に放置されている。
「おまえはB型か!」 「いいえA型です!」
こういうのをゆとり世代というらしい。

親からも先生からも怒られた事も叱られた事もなく、つまり、面倒な干渉をされた事がないので、何が正しいのか、悪いのか、上手なのか、下手なのか、極端にいえば、コンビニ育ち世代のため、食事の味さえ判断できず、要するに判断する必要もなく育ち、言われた事をやり、その結果の責任を問われた事もないので、全てがなんとなく過ぎていく…
金持ちになりたいという野望やいい車が欲しいなんてとんでもない事で、海外だって行きたくない。
“夢”とか“希望”って叶わないから、“夢”とか“希望”っていうんですよね。
そうだったっけ???

こんな感じだから、治療も患者さんから「抜かないで!」と言われれば、たとえグラグラでバキュームを当てたら吸い込んでしまいそうな歯でも残したり(こうなると下手とか、言いなりというより、神技!)、「とりあえず噛めるように」と言われれば、律儀に保険の銀歯を入れて、咬合調整はもちろん「高いです、高いです」の返答をメドに削り過ぎ、その削り過ぎに気が付かず…

挙句の果てが、患者さんがまた来てくださるかどうかばかりが気になり、治療内容が正しいかどうかという事よりも、上手か下手かという事よりも、話術で勝負する、そんな歯科医師になってしまうよ、ゆとり君!!

私以上に人を見る目を持つスタッフのボスが、こう言った。
「院長、何も言ってはいけません。人柄はいい方なのですから、とりあえずいてくださるだけでいいじゃあないですか…」「はい」
世の中は変わったんですね。

私は諸事情で30歳で歯学部へ入学し、卒業した時は36歳でした。同級生と10年の差がありましたので、卒業してからは必死でした。“上手くなりたい”“儲けたい”はもちろんのこと、“立派な歯科医師になりたい”“オールマイティな開業医になりたい”とがむしゃらに働きました。
そして、私が入れた歯で女優のように美しくなり、私が入れた義歯で健康を取り戻し、笑顔が若くなり、私がやった咬合調整で肩こりが治り、更年期障害が軽減し、ゴルフがうまくなり、ホームランを量産するようになる…
そんな患者さんに喜んでいただける立派な歯科医師になろうと一生懸命勉強しました。

若い歯科医師諸君!
君のこれからの歯科医師人生は長いですよ。結婚をし、家族を持てば、背負う人生は長い上に重くなります。時には辛くめげそうにもなりますよ。
そんな時にこそ、自らの目標をしっかり持って、立派な歯科医師をめざしてください。

もしかして、「立派って、どんな事を言うのですか?」ってゆとり君から聞かれそうですね。答えは、「私のような歯科医師の事を言います!!」と答えたら、きっと、ゆとり君は訳が分からなくて、笑うか、当医院を辞めてしまうかも…
だから当分は何も言わず、これからも何も言わず、ゆとり君の動向を楽しんでみる事にします。

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天ママStyle vol.88 “娘と私(その2)・3万円のディナー”

中学生になり、反抗期に入った娘に母はとうとう音を上げて“早く東京へ引き取ってくれ!”と言いました。
友人達は女子高を勧めてくれましたが、父親がおらず、兄弟もいない娘のために、自転車通学が可能な男女共学の帝京高校を選びました。
当時の帝京高校は、サッカーも野球も日本一で、その日本一のサッカーや野球部員のいるクラスは活気に溢れ、勉強するより応援に飛び回り、高校生活で考えられるあらゆる楽しい経験をしたと後に娘は言っており、私の高校選びは成功しました。

高校1年生の夏休み前に、娘に何がしたいかと聞くと、中学生の頃からクラブを握っていた娘は「ゴルフをやりたい!」と答えました。
そこで、ゴルフ場を経営している友人に連絡をし、ひと夏、娘を預けることにしましたが、その友人に「女の子を、それも16歳を山奥のゴルフ場で預かるのはいかがなものか…」と心配されました。しかし、「殺されなければいいんです。責任は全部、私にあります。よろしくお願いします」と頼み込みました。

夏休みに入り、娘をゴルフ場に預けに行くと、マネージャーさんが、プロゴルファーを目指す研修生のための寄宿舎に案内してくれましたが、クーラーも無く、ボロボロの畳の部屋です。
私は近くのスーパーに走り、カーペットと洗濯用のロープを買い、カーペットを敷き、ロープを部屋に張り、洗濯物を外に干さないように指示して帰ろうとすると、娘は涙をこらえて、
「私はゴルフをやりたいと言っただけなのに…」
「だから、これが1番近道なのよ。頑張ってね。3日経ってもダメだったら、迎えに来るからね」
笑顔で手を振りながら、私の心は穏やかではありませんでした。

1日目…夕方、大泣きで電話があり、
「帰りた~い」「あと2日頑張りなさい!」
私はマネージャーに電話をして、その日の夕食を娘と一緒に食べて欲しいと頼みました。
2日目…また、泣きながらの電話。
「いやだ~帰りたい」「あと1日我慢しなさい」
マネージャーは、この日も一緒に食事をしてくれたようです。
3日目…泣いていません。
「あっ、ママ」「3日経ったから、明日迎えに行こうか?」
するとしっかりした声で「来なくていい」「大丈夫なの?」「うん」
電話を切った私の方が、泣きそうになりました。

10日程経過した週末、年2回の河邊先生の特別セミナーを受け疲れて帰って来ると、自宅に人が入った気配がします。
テーブルに娘からの書置きが…“勉強道具を取りに帰りました。お風呂に入りました。気持ちよかったです。戸締りはきちんとしてください”

私は慌ててクーラーボックスを持って外へ飛び出し、タクシーを止めて取手のゴルフ場までの往復のタクシー代を交渉し、そのタクシーに飛び乗りました(疲れている事と翌朝が早い事を考えると、自分で運転する気になりませんでした)。
途中でクーラーボックスをいっぱいにし、ドライバーに30分待つように告げて、真っ暗な山道を歩き、寄宿舎の庭に回り、雨戸を叩くと“だれ~~~!!”と娘の叫ぶ声が…
驚いたことに、お盆休みで寄宿舎には娘以外、誰もいません。
案の定、寄宿舎の夕食を食べそびれていた娘はコンビニのお弁当を嬉しそうに食べています。
「サハリね、今夜のこのディナーは高いよ!」
「へぇ~いくら?」「デザート込みで3万円」「ふーん」
往復で3万円のタクシー代で飛ばして来た私に驚きもせず、平然とお弁当を食べる娘を見ると、娘の身体はあせもに塗ったシッカロールで真っ白です。
「どうしたの、その白いの?」
「キャディのおばさんが心配して扇風機を貸してくれて、このシッカロールもくれたの。おばさん達、ママの事を“鬼”って言ってたよ!」「サハリもそう思うの?」「ううん、思わないヨ」

私は、この真っ白になった娘を連れて帰ろうと泣き崩れそうになりました。でも、キャディのおばさん達の顔が浮かび、(私の娘だ、この子は負けない…キャディーさん達、どうかこの子を見守ってください。私は鬼の親です!)、タクシーを待たせていた事を理由に、娘をそのままに、その場を後にしました。
「戸締りをちゃんとするのよ!!」

長かったような、短かったような3週間程が過ぎ、取手のゴルフ場に駆けつけた私は、待っておられず、娘を見つけると18番ホールに向かって歩き始めました。
お客様に気を使いながら働く、真っ黒に日焼けした娘に手を振ると、お客様全員で私に手を振ってくださって、その中のお1人が、「あなたのお子さんですか?とてもいい子ですね。何も言わず好きなように育ててあげてください」と言ってくださって…
私は涙でグシャグシャになりながら、何度も頭を下げ、娘の粗相を伺い、嬉しさと有難さに胸がいっぱいになり、娘を抱きしめていました。

娘の高校1年生の夏休みはこうして完結しました。この経験のおかげか、娘はバフィーで230ヤードは飛ばせるようになり、同級生の東尾理子ちゃんと帝京高校でゴルフクラブを作りました。

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天ママStyle vol.87 “娘と私(その1)”

青いあおい空に…遠くとおく続く砂浜…寄せる白波…

走り回る日本から連れて来たジャックラッセルの“ハニー”を追う“クリス”。
すっかり化粧をすることを止めた娘の“サハリ”が持つバスケットの中には、クリスが大好きなからあげと卵サンドイッチとコカコーラが入っている。

「ランチにしない?」娘は2人に声を掛けた。

私が30歳で北海道の歯学部へ入学した時、娘は2歳前でした。その半年程前から嫁ぎ先を飛び出し実家で居候生活をしていた私達に世間の目は冷たく、「サハリちゃん、パパはどうしたの?」と遠慮のない質問をしてきます。
「パパはいないの!」と健気に答えて笑う娘を見て、私は歯学部入学前に離婚届けを出す決意をしました。

突然歯学生となった私は、冬、春、夏休みは実家へ帰り、娘と1日中たっぷりと過ごしていましたが、やがて大学へ戻る日になると、娘は朝からタオルで顔を覆い、私の車に手を振るやいなや自分のベッドにもぐり込み、「来ないで、来ないで!! 誰も来ないで!!」と泣きじゃくっていたそうです。

私は私で、遮る雨が降っているわけでもないのに、ワイパーを動かしながら止まらない涙に視界を失っていました……。

ある時、幼稚園児になった娘が言いました。
「ママはどうして優しいパパと結婚しなかったの?」
「なぜそんな事を聞くの?」
「優しいパパがいたら、ママが学校へ行って勉強しなくても良かったでしょう?」
「パパは本当は優しい人だったのよ。だけど約束を破ったの…ママは約束を破る人は嫌いなの。ママが今、学校に行っているのは、サハリと2人で楽しく暮らす為なのよ。
もう少し我慢してね。
それより、あなたには、兄弟も、いとこも、パパもいないので、ママが死んだら1人ぼっちなのよ。だから1人で生きて行く事を考えなさい!」
「いやだぁ~、ママが死んだらいやだぁ~」
「何言ってるの、しょうがないんだから、今から覚悟しておきなさい!」
「いやだぁ~…」

すると突然聞こえた母の声。
「おまえ、こんな小さな子に何を言っているのですか!
止めなさい! かわいそうに…」

歯学部を終えようとする頃、教授の推薦で、義歯の大家の河邊先生の臨床教室に通えるお話をいただきました。私はどうしても、このチャンスを逃したくなくて、小学生になっていた娘に、あと2年間、勉強させて欲しいと頭を下げるために、実家へ帰りました。

娘は私の勝手な申し出に、「ママ、私は6年間もママを待ったのよ。なんで帰って来てくれないの……」と号泣!!
私は心を鬼にして言いました。
「ごめんなさい。本当にごめんなさい。おまえが大きくなって、やりたい事や行きたい所、好きな人が出来たら、ママは全力で応援するから、今はママのやりたい事を応援して欲しいの…
お願いです。ママはもう少し勉強したいのです!」
「いやだ~、絶対いやだ~」
またもや、泣きじゃくる娘……

東京に出て、夜9時過ぎまで働きながら学ぶ私には、娘を引き取る余裕はありませんでした。そんな私に、長い休みになると今度は娘が会いに来てくれるようになりました。

なかなか帰宅しない私を責めもせず、田舎にはない“セブンイレブン”で焼きソバ弁当を買ってじーっと待っている小学生の娘……いつからか、院長室で寝て待つようになりました。

すっかり寝てしまった娘を抱きかかえての帰り道。
『この子はきっと私を理解してくれる。でも寂しくて寂しくて仕方がないんだ…。私も同じように寂しいし、何の為にこんなに働いているのか時々分からなくなるけれど、早く稼げるようになり、早くあなたを引き取れるようになるからね』
泣く力もなく、疲れ切っていた私でした。

サンディエゴの海は、どこまでもどこまでも青く遠く、水平線の遥か向こうに……日本がある……
年末に結婚したクリスとサハリは、初めて訪ねて来る私をどんな想いで待っていてくれるのだろうか?

「ママに、虎屋のおしるこを頼んだよ。それに切り餅とセブンイレブンの魚の缶詰とシャケフレークに、桃屋のラー油も。それから大葉と枝豆の種も」
「ママは運び屋かい?」
「うん、重量オーバーになるからビジネスクラスにしたって…」

私は何が何でも2人の幸せを祈っている……
(次号は娘を東京へ引き取ってからの事を書いてみようと思います)

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天ママStyle vol.86 衛生士たるもの

36歳で歯学部を卒業して30年、今まで多くの衛生士と関わってきましたが、その中で特に印象に残っている衛生士を紹介しましょう。

可愛かったAさんという衛生士

言われた事はこなすのに、“気を遣う”とか“先を読む”事が出来ず、常に「ライト! バキュームA!」と注意されている事さえ気にもせず、ただただニコニコしているので患者さんのウケは良い子でしたが、私としては常に指示を出す事に疲れ、気の利かなさに爆発していました。

ある時、Aさんのお母さんが医院に立ち寄られ、「いつも娘がご迷惑をお掛けして申し訳ありません。本当は私が仕込まなくてはいけない事を、先生に仕込んでいただいて感謝しております」と頭を下げられました。

Aさんはきっと家に帰り、私に叱られた事をお母さんにグチっていたのでしょうが同情されず、「お前が悪い!」と諭されていたのだと思います。

Aさんは10年以上私の下で働き、私が紹介したイケメンと結婚しました。「先生、教えていただいた“気を遣う事”で主人のご両親やご近所の方々とも上手に付き合っています。そして、先生のレシピのおかげで主人の友人達からは料理上手な奥さんと思われていて、皆さんが遊びに来てくれます」

この事を機に、1人暮らしの衛生士を採用する事をやめました。

美人のBさんという衛生士

面接時に彼女はこう言いました。

「高校を出て歯科医院でアルバイトをしている時、衛生士という仕事を知り、衛生士になりました。卒業する時、先輩に1人前になりたかったら怖い女の先生のところで働きなさいと言われ、天井先生を見付けました。私を仕込んでください」

このBさんがすごかった!! 覚えがいい、優しい、明るい、よく気が付く…仕事の先を読み、指示を出す前に手が出てくる。患者さんへのパンフレットを作るのはお手のもの…。彼女が立派な衛生士になった頃、結婚するために辞めてしまいました。
彼女のように目的がしっかりした衛生士は、ブレなくて、早く立派な衛生士になり、結婚も早いかもですね。

 

最近の衛生士が必ず口にする言葉があります。

“予防をやりたいです!”

そこで私は“学校で予防をどう学びましたか?”“あなたの思う予防の定義は?”“衛生士として患者さんに予防をどう説明しますか?”“そして、どのように予防をやっていきますか?”と聞きますが、答えはうやむやのまま。
衛生士学校が3年制になり、おりこうになった分、少し様変わりしているようです。“予防”“審美”“インプラント”というカッコイイ治療に興味を持ちながらも、その予防にはどう関わるのか、審美は…インプラントには衛生士として何が出来るのかとまで思いを深めて、地道な努力をしようとはしません。
鼻ばかりが高く、スケーリングをさせれば取り残し、srpとの違いが分からず、アシストをさせればでくの坊状態…やれやれ…

私が思うに衛生士業務は、歯科治療をする歯科医師を補佐し、治療がスムーズにいくように衛生業務を含め事前準備からアフターケアーをフォローする業務の事をいいます。
そのため①治療前の患者さんのお口の中を確認し、②治療途中の口腔状態の確認をしながら、③歯科医師と治療の進み方の確認、さらに④治療後の定期検診の管理等を含み、手早いスケーリング、確実なsrp、納得のブラッシング指導を患者さんに優しさと笑顔を振りまきながら行わなければいけません。

優しいD子さんという衛生士

D子さんは5~6ヵ所の診療所勤務と公共施設の衛生士業務経歴を持った方なので、私からお願いして来ていただきましたが、仕事が出来ません!
いや、出来ないというより、普通の衛生士の完成形なのかもしれませんが、私には納得出来ません。そこで、今までの職場で付いたクセを取り払い、仕込み直しから始めました。

その“クセ”とは…
①指示しないと動けない
②目の前の事以外、気が付かない
③思い込みが強く、反省の積み重ねがない
④年齢と経験から得る総合職としての歯科衛生士業務を把握していない
(例)予約の取り方を理解していない、治療説明のフォロー不足、自院のアピール不足、コストパフォーマンスを考えた事がない、治療内容の理解が浅い

「もう無理です。辞めさせてください」
「辞めることならん!
その年で私に関わった以上、あなたが衛生士として完成するまで辞めさせません! ここで仕事を続けなさい。あなたの人生が必ず楽しくなります!!」
私は彼女の辞表を机の奥深くにしまってしまいました。
(追伸)現在の彼女ですが、とても素敵な衛生士になって、楽しそうに頑張って働いてくれていますよ。

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天ママStyle vol.85 雪とWOWOWと私

今年初めての積雪です。
午前中の患者さんのキャンセルが入ったので、この原稿を書くために自宅待機をしているとWOWOWで錦織君の全豪オープンテニスの初戦が始まりました。応援するっきゃない!
片目テニス、片目原稿で、雪に感謝しています。

私が歯学部を卒業して河邊先生の臨床教室の門を叩いた時、私は36歳でした。その時、河邊先生は72~3歳くらいだったと思います。そこへ、河邊先生より2歳年上の先生が、週に1回、名古屋から新幹線で通って来られていました。その方は真摯で、熱心でとても静かな方でした。
「どうして、そのお年で勉強を、それもわざわざ東京まで来られるのですか?」とたずねると、「いやいや、いつまで経っても義歯が難しくてね。河邊先生のセミナーに出て、“この方だ。この方から学びたい”と思ったのです」
75歳近い、この名古屋の先生は目をキラキラさせて答えてくださったのです。
もちろん、今の私はこの方よりは若いのですが、75歳になって、サラリとこのように言えるかどうか、自信がありません。
私は、卒業と同時に河邊先生の門下生になり、仕事の師、人生の師を目の当たりにしながら歯科医人生を送ることが出来た幸せを、改めて感謝していますが、いつまでも勉強する心を持ち続けることが出来るかどうか。

同年の周りの方々は定年を越え、これからの人生を残ったお金でどう生きていくかの胸算用ばかりです。
確かにお金は有難いものですが、いくらあっても満足できるものではありません。年を取れば、年を取ったからこそ、お金より大事なことに気が付くことの方が、大切な気がします。
そう! 私には、私の人生があるのです。
もっと仕事を! もっといい仕事を! もっと患者さんに喜んでいただける仕事をしたい!
と思い続けることが大切なのです。

“錦織君、ガンバレー!!
それにしても全豪オープンの観客はラフですね。
全英のウインブルドンは、スタイリッシュでカッコイイサングラス姿の観客が多いのが印象的です。いつかカッコイイサングラス姿で(私はサングラスオタクで20個以上持っています)、ハデな服を着て乗り込み、テレビに映ってみたいです。
ヤッター、2セット取りました!!”
50歳の頃、数年前に奥様の貢子さんがお亡くなりになるまで、ジャズの大家渡辺貞夫さん夫婦と仲良くさせていただいた時期がありました。
この貢子さんが、とても素敵な方でした。
私より10歳程年上の方でしたが、白黒はっきりとされていて、辛辣にものを言われ、私はよく叱られましたが、その言葉の端々に、暖かさと優しさが見え隠れし、すでに大人のはずだった私が、『こんな大人の女になりたい』と思ったものです。
今、私はあの頃の貢子さんの年を生きています。貢子さんには及びませんが、周りに若い人達がいてくれます。この方達に、私が貢子さんから学ばせていただいた「襟を正すこと!」「本質を見抜くこと!」そして「誰かのために生きること!」を少しでも感じていただければと思うようになりました。
このような想いにいたるということは、年を取った証はもちろんのこと、“生きてきた”といえる人生を送ってこれた自信からかもしれませんね。

一昨日の土曜は、午前中は田舎から出てきた友人に逢い、お昼は可愛がっている子の展示会を観に行き、夕方はコートの裾上げをし、夜は映画“ブリッジ・オブ・スパイ”を観ました。
昨日の日曜は、1日中バルコニーで薔薇の鉢の土替えと剪定をしていました。そして、コムネットの菊池社長のように写真がうまくなりたいと思い、カメラを2個買ってしまいました。高額なカメラを持ったからといって、上手な写真が撮れるか保証はないのに…
以前は油絵が専門でしたが、今は写真の一瞬のひらめき、感動に惹かれるからです。

何もすることがない日はない
何もない日は、何かをしようとする
いやなことは、時が忘れさせてくれる
そして、楽しかったことは、いつでも思い出す
私は、私らしく、こうして生きていけたらと思う
薔薇とオリーブ、そして犬と…

今年もよろしくお願いします。

“あっ、勝った! 錦織君初戦突破しました!
ストレート勝ちです。ガンバレ~~”

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天ママStyle vol.84 カレンダー

来年のカレンダーを買いに銀座の文具「伊東屋」へ行った。月めくりの卓上用を3つと、1年分が載っている小さいのと大きいカレンダーを2枚ずつ持って会計に並ぼうとすると、5年分が1枚になっているカレンダーを見つけた。ちょうどオリンピックの年、2020年まである。10年先は見当もつかないが、5年先はまだ元気だろうし、生きていると思うので、5年分が1枚のカレンダーも買うことにした。

診療室へ帰り、目の前に5年分1枚のカレンダーを置いたら、なんだか焦り始めてしまった。来年はプーケットとバンコクへ、2月は娘の結婚先へセミナーの資料作りの依頼にサンディエゴへ、4月から5月にかけてはフィレンツェとシチリア島へ、そして9月に再びサンディエゴは予約確定済み……そのすき間にセミナーと友人達と遊ぶ計画を入れなければならない。
ふむ…ふむ…まだ埋められるぞ!
ピンクのマーカーのフタをするのも忘れ、1年間を、そしてその先の4年間をガン見する私です。

先日、日本歯科新聞社創立40周年記念講演会に出席した。そこでお2人の歯科医師のユニークな歯科医院経営のお話を聞かせていただいた。
お1人の方は50数名のスタッフを抱える大学病院のような大きな診療所をやっておられ、もう1人の方もスタッフ20数名で、地域に溶け込むためにイベントスペースを提供し、本を置き、カフェを開き、まず人を集めることから始めた歯科医院づくりの実践例を紹介された。
チマチマと働いている私にとって、お2人のお話は想像を超えたもので、発想とその規模に驚かされたのですが、さらに感心したことがあります。
それは、いろいろな質問が飛び交う中、お2人が声を揃えて言われた言葉です。
『歯科医師として成功するよりも、人間として成功したいと思っています。
経営がうまくいったのは、儲けることより、自分自身のポリシーに忠実にいたいと思ったからです』…拍手…拍手。

たとえ、お2人のような心構えがあったとしても、成功するかどうかは心構え不足か、運次第かもしれませんがね。

疲弊する歯科界の中、歯科領域の疾病治療だけではなく、全身の疾患と絡めて、糖尿病、心疾患、早産、認知症、さらに嚥下、食事等、歯科領域の幅広さをうたっていますが、それならば“医学部歯学科”というのは、いかがでしょうか?
むし歯が減り、削る歯が少なくなり、突然“予防”にシフトされようとしていますが、だからこそ補綴を保険から外せばいいのです。補綴を外せば、患者さんは予防に力を入れて、予防のために歯科医院に通う方が増えるのではないでしょうか?
そもそも、民主主義の日本で、医療だけが社会主義という制度の弊害に気づくべきです。そして、保険診療という偽善的診療報酬制度を改革するべきと思うのですがね!

【グチ】
だいたい新卒の歯科医師とベテランが、同じ点数であったり、戦後やっと作られたパラジウム合金の銀歯をいまだに口の中に入れていたり、点数を上げ過ぎると個別指導というものに目を付けられたり、やっと来てくださった歯科衛生士にぺこぺこしたり…、これで国民の健康を守れといわれても…無理!!
ストレスで死にそうなのは歯科医師です。歯科医師の健康を守ってくれるのは誰なのか!! もしかしたら、歯科医師が過剰だから自然淘汰を待っているのに違いない!

やれやれ、話を最初に戻しましょう。
10年間のカレンダーでなくて5年間のカレンダーでしたね。その5年のカレンダーを見ながら、「あと5年と思うか、まだ5年と思うか」、まるで人生の分かれ道に立ったような気分です。
きっとこの5年間が、私の歯科医師としてのキャリアの最終章となることは確かです。
使い慣れたタービンを置く時、どんな感慨を持つか、想像もつきませんが。「感謝、感謝」の最終章の最後のページになることを願っています。
頑張ろっと!

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天ママStyle vol.83 おしゃれ!

365日『毎日ダイエット』をしているのに1度も成功したことない私が最近『炭水化物抜きダイエット』を始めています。
完璧な炭水化物抜きではないのですが、少しずつ効果が出てきて、キューピー腹も落ち着き、昔のワンピースが着れるようになってきました。
あと3~5kgやせれば、高血糖症も、高コレステロール値も、値が下がり、ビキニのパンツがお腹の肉で隠れることもないでしょう。
(皆様、もうしばらくお待ちください。素敵に痩せた姿を披露いたします)

「先生、私太っちゃって痩せないんですよ~」
「そんなに太っているようにお見受けしませんが…痩せてどうなりたいのですか?」
診療室で1日1回は必ず出る会話のひとつです。通常おばさんたちは差し障りのない会話が大好きで、ここで「あ~ら、全然太ってなんかいらっしゃいませんよ」と優しい否定語を投げかけると異常に反応し、更に「エ~、すごいんです。お腹が……」と嬉しそうに困ったフリの顔をされます。
このようにダイエットと料理の特集をすれば、必ず売れるという雑誌のたぐいのような会話を好むおばさん達に共通する、ある兆候にお気づきですか?
彼女達が、痩せてもしようがないくらい、まったくといっていい程“おしゃれ”でないことです。

なぜなら、おばさん達は、痩せて美しくなる理由も、素敵になってパートナーから「きれいだね!」と言われる期待も消え、楽だというだけで髪はショートヘアにし、パーマ代を節約するためにひっつめて、娘のお古を日常着にし、ウインドーショッピングなんて、ここ2~3年行った事がなく、化粧品はドラッグストアのもので済ませ、いつ買ったか忘れてしまっているアイシャドーは紫色と茶色ばかり……色が白ければ美人とおだてられ、白く塗りすぎたファンデーションでお肌は粉ふきイモ状態……
めったに買わない靴はスニーカーもどき、ウェッジもどき、楽だから何でも合うからとダサイ黒革靴……以上、綾小路きみまろでした!

先日、歯科医師会のちょっとした集まりに出席しました。数名の女性歯科医師の方々がおられましたが、その! まあ! なんと! 皆様申し合わせたように、疲れ果てた精気のない雰囲気で……
会の主旨を思えば、少しはおしゃれが必要な会でしたが、そのおしゃれの微塵もない、覇気のない顔に、声を掛ける気分も失せてしまいました。
30~50代のまだまだ若くてピチピチした方達のはずなのに……漂う暗さに何か原因があるのでしょうか…

それに比べて、男の方々はお元気そうです。確かに男のスーツ姿は鎧のように内面をごまかし、ピシッとアイロンの効いたシャツと身体にフィットしたスーツに趣味の良いネクタイ姿は無精ヒゲさえ素敵に魅せます。
男の顔にシワが刻まれ、なんとなく薄くなり始めた頭髪に白髪がまじり始める頃の男性はセクシー度、満点です!
そんな男を家で飼いたいと思ってしまいます。
(私の標語“犬を飼うより、男を飼おう!男は捨てられるが、犬は捨てられない!”)

おばさ~ん!!
①カガミを大・小買ってください。1日3回以上はカガミに顔と全身を写しましょう。そして、必ず笑顔を作ってください。
②ファッション雑誌を買ってください!今どきのファッションに目を通し、お化粧のアイディアを盗みましょう。
③素敵な靴を買いましょう。履かなくていいから、飾っておくだけでいいから、シンデレラのような靴を枕元に置いてください。夢の中で、あなたは王女様か女王様になれますよ。
④月に2回はお食事に出ましょう。必ず素敵なドレスを着てください。ボーイ達にかしずかれ優雅さを身に付けましょう。間違ってもセルフのビュッフェはいけません!
⑤月に2回は呑みに行ってください。野郎共とあっけらかんと酒を呑みましょう。思いっきりハメを外して歌いましょう。
⑥月に1回はコンサートか、映画か、特別な日を作りましょう。おしゃれをするためにです!

まず、ここから始めてください。
笑顔が魅力的になり、かわいくなり、素敵になります。すると人生が楽しくなります。
おばさん達、もっとおしゃれをしてください。

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